バニラ・アウローラは現地と直接取引/ 現地調査を続けています
化学肥料は、土にとっての「サプリメント」と理解できるでしょう。私たち人間も動物も植物にとってもバランスのとれた食事が大切です。" 化学肥料 " はまるでサプリメントのみの食事のようです。病害虫の発生や、健康な体を傷めてしまいます。
圃場の( 土 )がすべての生命線
健康的で微生物が多く繁殖している「土」によってはじめて「 良質な農産物 」が生産されます。健康的な「土」の中には、1cm3あたり数億 ~ 十数億もの微生物が多様に活躍しています。微生物の働きにより保水と排水のバランスが良い、豊富な養分を蓄えた土が形成されます。あらゆる植物はこの土から「 養分 」をたっぷり「 吸収 」し健康的に育った産物は「 病害虫 」にも強くなります。「 バニラビーンズ 」でいえば、「十分な養分 」を蓄え、発酵によってもたらされる「 バニラの香り成分・ヴァアニリン 」の元になる糖分( 配糖体 )を多く含みます。「 グリーン・ホワイト・ブラックなどのペッパー 」「 チリペッパー 」「 ココナッツ 」、地中で育つ「 ジンジャー・ターメリック 」においても「 土と微生物 」の存在は極めて重要な役割を担っています。
「 農薬 」と「 化学肥料 」従来の常識
「化学肥料」は、化学処理によって、「 葉や茎、実・根 」に必要とする養分を直接植物に吸収される状態の「 無機質 」「 窒素・リン酸・カリ 」の状態で販売されています。「 有機 」の場合は、「 でんぷん・たんぱく質 」が「 微生物 」によって分解され有機質の状態の「 窒素・リン・カリウム・他 」に分解されます。さらに「 微生物 」の分解によって、徐々に「 窒素・リン酸・カリ 」へと分解します。ここまでは一般的な有機に関する定義です。
オーガニック先進国が知る有機栽培の常識
ここからが本題です。微生物はその一生(平均寿命は数時間程度)のうち、活発な活動を行い、「アミノ酸」「核酸」「酵素」等を生成して、これらを体内に残したまま、死んで(死)菌体となってそれらの生成物を土壌内に放出します。植物は、「アミノ酸」「核酸」「酵素」等を根毛から“「有機質」”のまま取り込んでいる。これが、昨今の定説になりつつあります。これは、コペルニクス的転回であり、理論生物学ではなく実際に40年以上前から取り組んでいるグループが日本にあります。
化学肥料の弊害は、滅菌消毒よりも深刻です
「 化学肥料 」を直接投入された土壌は、活発に働いていた「 微生物 」を死滅させてしまいます。また、「 土壌 」には多くの「 硝酸 」の形に変化した「 硝酸性(態)窒素 」が含まれます。これは、未熟な堆肥にも含まれます。原料に家畜の糞尿を用いた場合には「 小便 」もその成分になります。「 化学肥料 」は「 農産物 」の生産性や「 地力 」をだんだんと落としていくだけでなく、「 硝酸性(態)窒素 」を生み出し、「 害虫 」を呼びます。また、人間が取り込むことによって、「 ニトロソアミン 」という人間にとって良くない「 成分 」を生む元にもなるのです。
バニラ・アウローラは「品質と安全」の確かな仕入れのために現地法人と直接取引しています
ヴァヌアツ共和国「VENUI」と1999年からの取引
マダガスカル産の4倍の香り成分
VENUI Piero のバニラビーンズは現地を除き日本ではバニラ・アウローラでしか入手できません。
VENUIのバニラビーンズは最高グレードの「ヨーロピアン(グルメ)ブラックに位置します。しかも香り成分は、1997年には7%の含有量を叩き出しました。
現在でも実に平均で3.8%以上の含有量は、マダガスカル産の4倍、パプアニューギニア産の5倍以上に達します。
1999年シドニーは活気に満ちていました。もちろん現在もそれは変わりません。イギリスの伝統を堅持しながらも、ニュージーランドとならび南太平洋諸国との商業や文化、学術などの交流も盛んです。翌2000年はこの都市でシドニー五輪が開催されました。日本の女子マラソン、高橋尚子選手が堂々の「金メダル」に沸きました。
私は当時在籍した業務に関わる食品展示会に赴きました。
ここで、「VENUI」の創業者 Piero と出会います。3日間の商談で取引を開始しました。
このあまりの品質の良さに、16年ほど前に、顧客であった大手取引先から直接このNENUI社の日本での購入権を持っていかれそうになった経験も懐かしいです。現在は、ヨーロッパ、パリより優先的にバニラ・アウローラが販売しています。
「VENUI」創設者Pieroは1970年代に当時としては珍しく大学院へ進みます。当時のイタリアは、マフィアが横行し、また地下鉄で大規模な爆破テロ事件が多発していました。
現在のイタリアとは、異なり、渡航先の安全性も危険地域のひとつだった時代です。農学部の大学院に進んだPieroはバニラビーンズを主題とした研究を行い、従来の習慣的な栽培方法ではなく、バニラビーンズの体系的かつ収量の増加のための論文を記しました。
この研究成果を持ってイタリアから南太平洋ヴァヌアツ共和国でバニラビーンズの栽培に着手します。
やがて、彼は「VENUI」成長の傍で、南太平洋諸国で、文字の読み書きができない初心者へ、栽培技術を教えます。また、彼たのためのテキストを作成し、現在では、世界中のバニラビーンズ栽培のバイブルとなっています。
老舗産出国/コモロ「vaniacom」との3年越しの商談から取引開始
マダガスカル産の2倍以上の香り成分
旧フランス領コモロはレ・ユニオン、マダガスカルとならび、バニラビーンズ産出国の老舗です。
この地で1999年から労働賃金の正当な報酬を約束するフェアトレードを導入し、安全と品質のためのオーガニックに取り組んできたのが、「vaniacom」女性オーナーのSitti氏です。彼女のバニラビーンズは、香り成分 [ vanillin ]がマダガスカル産バニラビーンズの2倍以上、パプアニューギニア産の3倍も含まれています。また、ヨーロッパにしか流通しない、ヨーロピアン・グルメブラックという最高グレードです。
彼女とは2014年にある機関からの紹介があり、2015年〜2018年まで毎年取引に関する情報交換を実際に会って確認しています。
今では、率直な条件の更新だけでなく、話題は互いの家族やスタッフに関する事にまで互いに思いやる声かけができる事にまで及んでいます。
2000年頃から始まった "サイクロン-ユダ”からのバニラビーンズの高値を彼女も経験しています。
昨今はその時を遥かに超えたバニラビーンズのインフレーションに対処するために、適切な対処が喫緊の課題です。
皆様のお手元に、最高品質のヨーロピアン(グルメ)ブラックバニラビーンズの提供に、今後も尽力してまいります。
適切なバニラビーンズの木々の管理を怠りません。日々の手入れにより健康なバニラビーンズは育ちます。下の図はバニラビーンズ栽培に重要な受粉の様子です。